越後 駒ヶ岳(こまがだけ)

【期日】'06.5.21(日)
【天候】快晴
【形態】単独行
【コース】駐車場500→930小倉山1100→1300駐車場帰着 休憩込総行動時間8時間
【立ち寄り湯】駒ノ湯山荘 500円(内風呂のみ入浴可)秘湯の湯というかんじ

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 越後駒ヶ岳(2002.7m)という山を最近まで知らなかった。若い頃はスキーで上越には良く行ったのに。そして今回、快晴にも拘らずピークを踏まずに小倉山で敗退したが、とても気に入った。本来なら記するのも恥ずかしいが、初めての方の為情報として掲載する。

 国道352の枝折峠から登る方が標高を稼げるので一般的らしいが、まだこの時点では交通止めであった。そのくらい雪は多い。駒ノ湯への道もやっと開通したばかりだ。前日車を駒ノ湯の手前の駐車スペース(6台程)に止め仮眠する。右折して橋を渡ると駒ノ湯山荘。登山口は直進。しかしこの先雪で林道は閉ざされている。来る途中、雪が多くてがけ崩れが怖かった。登山口は駐車スペースの直ぐ先(10mもない)にあり、右へ折れて吊橋を渡ると尾根への取り付きとなる(駒ノ湯山荘の沢向かい)。登山口の標識は頭30cmを残して雪の中だった。吊橋は踏み板が1枚を除いて外してあるので、結構スリルがあった。
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 登り始めたらひたすら尾根道を詰める。雪解けの泥だらけの道を想定していたが、一部を除き乾いており、標高1300mまでは気持ち良い尾根歩きだ。椿、カタクリ、イワカガミ、タムシバ(モクレン科)、ミツバツツジの花が咲いている。辺りは、ブナ、カエデの落葉樹が一斉に芽吹きまばゆい。白い花が咲いているので見るとオオカメノキ(ムシカリ)であった。山の主役は、すっかり針葉樹から落葉樹へ取って代わられた。林を透かして駒ヶ岳の白と黒、そして空の青のコントラストが美しい。一人に追い抜かれる。標高1300m、小倉山の直下で雪の壁が立ちはだかった。かなり急で広い。滑落しても無事に停止できるかどうか不安になった。実は、家を出るときアイゼンを積まなかったのだ。一抹の不安が頭をよぎったが、登山口の雪の量と硬さを見てそれが現実になったことを感じた。上越の山を舐めていた。キックステップで途中まで登ったが、まだ雪は締まっていて、十分なステップが切れない。もうちょっと雪が緩んでいれば問題ないのだが。その間にもう一人男性が来た。しっかりアイゼンとピッケルを持っている。彼を見送ってからその場でしばらく躊躇していたが、下ることにした。この先ピークまでもっと雪は硬いだろうし、急斜面だと容易に想像されたからだ。こんな快晴でしかも風が無い日にピークを踏まずに帰るのはとても悔しいが、安全第一と、アイゼンを置いてくるという自分の失態にあきらめがついた。

 下る途中、女性が一人上ってきた。彼女はこの時期複数回来ているという。昨年のゴールデン ウィークはアイゼンなしでも登れる程度だったので、今年は持参していないという。「気をつけて」と声をかけ分かれた。つづいて男性二人連れが登ってきた。一人はファン スキーを担いでいる。すれ違うと同時に未練が沸いてきた。せめて小倉山まで行ってみたい。踵を返し又登り始める。すると先ほどの女性が戻ってくる。聞くと、雪面の途中まで登ったらしいが、下りの恐怖感から安全を取って下ってきたそうだ。先ほどと立場が逆になった。別れを告げ、先ほどの雪面に再挑戦する。先の二人組みが登っている。一人は兼用靴だ。アイゼンをつけ、慎重にステップを切っている。その後に続く。夏道は完全に雪ノ下だ。途中まで登ると下が見えない。足を滑らせたら、いずれ潅木で止まれるかもしれないが、ただでは済まないかもしれない。ピッケルなら直ぐ停止できるだろうが。恐怖心と戦いながら、その急斜面を登りきった。そうすると、小倉山が一望できる尾根に出た。そこからは斜面の傾斜も緩んだので、一気に詰めて他の二人組みと相前後して、駒ヶ岳から荒沢岳、道行山が一望できる小倉山の広い稜線に出た。

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 広くてなだらかな小倉山の肩の稜線は、休憩するには最高の絶景ポイントだ。駒ヶ岳(2002.7m)のピークまでコースが全て見える。さすがに裸眼では小屋は見えないが、小屋の前の一番の難所が良く見える。実際はどんな傾斜なのだろう。手前まででも行きたい気持ちがした。この位置では、会津駒ヶ岳、平ヶ岳、燧ヶ岳は隠れていて見えないようだ。

 3人で休んでいると、驚いたことに先ほど下山したはずの女性が上がって来た。気持ちは私と同じらしい。この天気で帰るのは、やはりもったいないのだ。しかし、今日の雪質では、小屋の前の難所を登りきれるか自信がなかった。しかも駒ヶ岳ピークの稜線には大きな雪庇が張り出している。登りに時間がかかると帰りの時間も心配だった。ここで引き返す決心をして、大休憩を取っていると、二人(登山)、一人(登山)、又一人(ボーダー)と登ってくる。皆駒ノ湯から登ってきた人だ。一人山スキーの人が道行山の方から到着した。地元の人たちは、今日ならアイゼン無でも行ける、日帰りも十分できると励ましてくれた。しかし、不安を抱えての登山はやはり危険と判断し、次回の為、皆さんの活躍を下から眺めることにした。やはり、小屋の手前の急斜面では皆時間を掛けている。それを見届けてから、女性とほぼ同時期に下り始めた。先ほどの雪の壁は慎重に靴のかかとを食い込ませて下る。そして午後1時ごろ無事駐車場に戻りついた。越後駒ヶ岳は、会津駒と同じく山スキーで是非来たい山だ。北アルプス的山容も気に入った。まずは、6月中に捲土重来だ、と堅く決心し魚沼をあとにした。(完)

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帰り道から見た越後三山




(完)

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上州 武尊山(ほたかやま)

【期日】'06.5.1(月)
【天候】晴
【形態】単独行
【コース】 武尊スキー場600→三合平→高山平→中ノ岳→1110武尊山 (往復)→1530スキー場駐車場帰着 休憩込総行動時間9.5時間
【立ち寄り湯】花咲の湯 500円3時間 きれいで安くて空いている。文句なし
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   武尊神社から登るつもりだったが通行止めのため、やむなく片品村のへ向かう。が、スキー場手前の分岐から右(東俣沢)へ入って直ぐ、残雪と落石多くノーマル仕様の私の車では無理と判断し、武尊牧場スキー場(4月末で営業終了)から登ることに計画を変更した。
 朝起きて車から出ると、若い男性が一人出発するところだった。スノーシューが無くても行けるかどうか心配していた。『なんとかいけるのでは』と無責任な私。だめだった戻るだけ。自己責任、これ鉄則。朝食を無理に食べて出発。スキー場の雪は腐っており、一部地面が露出している。ここにスキーで来たことは無いが、こじんまりしていて二人連れには最適そうだ。ハーフパイプとモーグル用のジャンプ台があり、明らかに客層はボーダーのようだ。誰もいないスキー場をいっきに登る。気持ちが良い。スキー場の最高点に到達したら左手へ進路を取るが、これから向かう武尊山の全容が見える。前武尊から中ノ岳、武尊山がひとつの稜線のように見え、反対側には尾瀬片品スキーリゾートが見える。
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 三合平に「森を歩き 森と語ろう ブナの森」という看板があるが下1/3が雪に埋まっている。この辺りは、ブナやシラカバの明るい落葉広葉樹の森だが、それより上層のダケカンバの林がすばらしい。標高にして1,000から1,300m辺りです。夏道は数箇所、点でしか露出していないので、ブナの木に付けられたテープ、疎林を透かして見える中ノ岳、GPS、それから先行するさっきの単独行者のトレースを参考にしながら歩く。所々ズボッと埋まるが、先行者のトレースを見ながら固いところを選んで歩を刻む。


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ダケカンバの林

 基本的には、なだらかな尾根道を歩くのだが雪庇になっているところがあるので、縁にはできるだけ近づかないように歩く。避難小屋(高山平、1,758m)には寄らずに通過した。高山平の手前標高1,700mから頂上にかけては、オオシラビソの純林だ。シラビソと紹介しているページが圧倒的に多いが、私は葉の状況から見てオオシラビソだと思う。葉を平に置いて上から見たときに、枝が見えないくらい葉が密生しているのがオオシラビソだと習った。


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オオシラビソ

 雪で良くわからないがセオビス岳(1,870m)と思われる辺りからは、中ノ岳(2,144m)がよく見える尾根に出るので、コース取りが容易になる。尾根の雪庇もよく見える。まだ崩壊しているものは無い。それぐらい雪はまだ多い。先行する男性のほかにスノーシューが加わった。どこから上がってきたものやら。見上げると、今しも中ノ岳前衛のクサリ場を2人がアタックしている。ザイルは使っていないようだが、果たして私は上れるだろうか心配が脳裏をよぎった。二人組のパーティが登りきると、わずかして一人が登り始めた。先行している彼だ。彼もツボ足だが、何とか登りきったようだ。そのうちに私もその岩稜を見上げる位置に来た。
 このクサレ雪で役に立つかどうかわからなかったが、アイゼンを装着した。そしてコース取りを考えた。先の3人は全て直登した。しかし、かなりの傾斜で踏み外すとタダでは済まない。右に巻くという方法もあるな。一応3人が登ったのだし、自分も直登を試みようと取付いた瞬間、一人降りてきた。かなり、慎重に降りてくる。彼は、私を見つけるなり、「だめだ、行けない」と叫んだ。彼の話を聞こうと脇に避(よ)けたところ、岩の根元に1組のスノーシューが置いてあるのが目に入った。どうやら二人組みのどちらかがデポしていったようだ。何とか降りてきた若い彼に話を聞くと「二人組パーティが直登コースを取っていて、ツボ足ではついて行けない」というような主旨の話をする。若い彼が怖気づいたのでは、無理は止めようと決心し私は右を巻く事にした。幸い右はダケカンバの疎林で雪崩の心配はなさそうだ。彼はそこであきらめて下山していった。(クサリは雪に埋没して当然使えなかった思うが、聞くのを忘れた。)


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中ノ岳を直登する先行パーティ(赤丸)と私の巻き道(青)下部はオオシラビソの林

 この難所を何とか乗り切ってなだらかな尾根に出ると、まもなく夏道の中ノ岳分岐へ差しかかった。夏なら当然左だが、先行パーティは右へコースを取っている。中ノ岳をはさんで反対側の斜面だ。どちらも急斜面だが北斜面を選んだようだ。一人はツボ足、もう一人はスノーシューだということが、はっきりした。中ノ岳の岩稜と雪の斜面の境目にトレースが付いている。そこから武尊山の頂上(2,168m)に人影が見える。既に二人は頂上を踏んだようだ。この北面もかなりの急傾斜だ。ズボ、ズボ埋まる。だから落ちても止まれそうな気もしたが、それは嫌なのでかなり神経を使ってこの難所も乗り切った。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の像がある上に出た。ここからは、なだらかな尾根を歩いて頂上が直ぐだ。二人組みは、頂上を降りてハイマツの蔭で休んでいた。離れた位置だったし直接見えるわけでもないので、声はかけなかった。
 頂上では、おなじみの3角山の標識がお出迎え。主人公が入れ替わって私一人。セルフポートレートを撮って、10円玉を賽銭箱(?)に入れ下山の無事を祈る。時々風が吹くが寒くはない。回りを見渡すと、春霞で遠くは見えないが、それでも、谷川岳と朝日岳、至仏山(燧岳は確認できず)が確認できた。白根山、男体山は確認できなかった。それぐらい霞がかっている。頂上の回りはハイマツとそれに混ざってシャクナゲが目に付いたが、花はまだ蕾だった。普通ならここでお昼にするのだが、無理に食べた朝食の所為か食欲が無い。ハイマツの蔭に座って、甘い物を食べる。頂上が見えるようになってから私が頂上を去るまでの間だけでみると、今日の登山者は3人程ということになる。この季節、ゴールデンウィークといえどもこんなものか。武尊山名物のブヨ(?)が飛んでくる。こんな残雪期でも虫が多いのには驚いた。



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武尊山(2,158m)にて

 帰りは、日本武尊像から夏道の斜面へ入ってみたが見上げるような急斜面で、雪崩が怖いので途中で引き返した。もちろん水場は雪の下。来た道を忠実にトレースしてスキー場まで戻ってくると、朝とは一変スキー場の従業員が大勢で春イベントの準備をしていた(スキー場の営業は終了している、念のため)。雪道は膝への負担が少なく私は好きだ。今回の山行きでスノーシューが欲しくなった。こりゃ、フリッチ ディアミールより先にスノーシューかな。鼻だけが真っ赤に日焼けしました。(完)

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